
これは、Eちゃんからもらった沼津のドルセのプチフロマージュ。
小さくておいしいスフレチーズケーキです。
今日は以前同じ会社だったEちゃんがウチの会社に遊びに来ることになりました。
というのも、Eちゃんは今、いろんな意味で人生の岐路に立っているようです。
恋愛で行き詰まり、久しぶりにメールが来たのが1ヶ月半前。
それから恋愛相談や憂さ晴らしで2回ほどお酒を飲み、今回に至るわけなのです。
何回か相談を受けているうちにEちゃんは恋愛だけでなく、今の仕事や今後の進路にも
悶々としているようで、何もかもが吹っ切れない様子。
恋愛面は、自分の中でもう少し気持ちの整理が出来るようになるまで、
このモヤモヤからは抜けられそうに無いみたい。
仕事面は、漠然と今の仕事ではなく違ったことを遣っていきたい、
そして、東京で生活したいっていうのがあるようです。
以前からEちゃんはウチの会社の社長にパソコンで絵を描く技術を習いたいと
言っていて、その件で今回は会うことになったのです。
フォトショップとイラストレーターのソフトを自己流で勉強してきたけど、
そろそろ独学には限界があるように感じていたみたい。
そして今後、WEBデザインとかグラフィックデザインとかのお仕事もしたいらしい。
パソコン環境を聞くと、ちょっと仕事で使うことまで考えると
とても貧弱な環境のようです。
それでは、パソコンもついでに買い換えちゃいましょうと。
相当カスタマイズしたマシーンを作らなければならないから組み立てパソコンです。
最初は今まで使い慣れたWINDOWSで技術習得することになりました。
Macは予算的にも追々ということに。
いつもお世話になっているパソコン屋さんに行くと、担当の方が接客してくれて
モニターを決めてくれればパーツは合うモノを選んで見積もってくれることに
なりました。
見積もりが出ると購入の決断をする前に、
社長がEちゃんに意思確認のための時間を取るために、一旦お店を出ました。
社長が言いたいことを要約すると、「軽い気持ちでデザインを仕事にしようとするなら
初めから趣味のままで仕事には手を出さない方がいい」ということ。
その真意は、デザインの仕事は奥が深く、いい加減な気持ちで首を突っ込むと、
仕事の厳しさや奥の深さに付いていけずに、心も体も潰れてしまって、
せっかく覚えたパソコンも触ることさえ嫌になったり、
挫折感で趣味で描いていた絵まで描けなくなっちゃうかもしれない。
今までの心の拠り所の絵を失う可能性があることを頭に置いた上で、
それでもアタシはデザインで挑戦したいんだって
強い意志をもっているなら、本気で鍛えてあげるということでした。
社長の今までの仕事の実績や経験からか、Eちゃんにはこの一連の会話は
かなり精神的に堪えていたようでした。
そのことを深く考えなと言われると、Eちゃんはやはり不安になってしまって
じっくり考える時間を持った方がいいということで、
社長の判断で今日はパソコンを購入するには至りませんでした。
Eちゃんは一通り話し合った後、「仕事にするかはまだ決められないけど、
私の描いた絵を見てください」と社長に言いました。
社長は「もちろんイイよ。デッサンでいいからいっぱい描いておいで。
でも、1枚に何日もかけて描いたようなモノは必要ない、思いついたモノを
短い時間でどんどん描くんだよ」と。
Eちゃんは何度も、今にも泣き出しそうなのを一生懸命にこらえ、
心の中はぐちゃぐちゃになりながらも、恋愛でも仕事でもなく、
「何枚も何枚も絵をいっぱい描いてみる。今は、スゴク描きたい気分。」
と最後に前向きなことを言ってくれました。
恋愛や今後のことで、全ての時間と思考が占領され、
本来の特技や趣味など彼女のイイところを完全にEちゃんは忘れていました。
もともと芸術家だから、ちょっと変わったところがある子でしたが
アタシは以前の聞き分けの悪いEちゃんの方が好きです。
アタシは同じ職場にいた頃、ヲタクとかヒッキーとよくからかっていたけど、
絵が描けるEちゃんはスゴイと思ってました。
でも、最近は全然絵も描かなくなったとのこと。
確かにステキな男性と衝撃的な出会いがあり、その恋がうまくいかず、
辛い思いも多かったと思う。でも、アタシはまたEちゃんに
好きな絵を描いて欲しい。
アタシは自分の持っていない才能を持っている人を尊敬してますから。
アタシにとってのEちゃんのそれが、絵でした。
今日、最後にまた絵を描くと言っていたEちゃんには、笑顔が戻っていました。
アタシも今のEちゃんの絵が観たいです。